セーラームーン第4部後編

ようやく見に行けたセーラームーン第4部後編。
敢えて採点するなら、前編の方が面白かった。個人の主観ではあるんだけど、セーラー戦士のキャラクターも、3人の小ボス的敵キャラも、生き生きと活躍していた感。それから、綿密に取材したであろう今の麻布十番の街*1の描写。地続きの現実+IFの面白さ。特に敵キャラのセリフではあるんだけれど「夢を実現させるには努力しなければ」っていう、月並みなセリフがグッと沁みてくるまこちゃん編はすごく良かったし。亜美ちゃんにしろレイちゃんにしろ美奈Pにしろ、それぞれの葛藤と克己があって良かった。前編は。
それに、ちびうさも可愛かったし、エリオスとの邂逅も不思議感満載。ザ・少女マンガ! ってな感じ。
しかし、後編は、なんか色々とシチュエーションが勿体無かったのと、ストーリーとイベントありきで半自動的に進んでいく型通りのRPGみたいな感じがしてしまった。つまり、セーラー戦士全員が目覚め、その力を集結して……云々と、セーラームーン賛美の連続で飽きてしまったというのが正直なところ。
セーラー戦士はそれぞれに魅力的なキャラクターなのに、個別のドラマを掘り下げつつの群像劇にするには「なかよし」のフィールドは狭過ぎたんだろうか。それとも、ヒロイン戦隊としての限界なのか。
絵は綺麗だったが、長台詞でシチュエーションを説明する場面が目立った気もする。
でも、漫画原作で読んだときには、その辺りは気にならなかったわけで。
やっぱり、セリフや文章で説明するのが当たり前の漫画と、動きで説得するアニメの違いがあるのに、このシリーズは漫画の方法論をアニメに持ち込み過ぎたんじゃないだろうか。
それから、尺の問題。どうしても変身シーンとかを詰め込まざるを得ず、緩急をつけるというより急の連続で畳み掛けてこられて、見て疲れてしまったなぁと。もう少し微妙な間を活かしてほしい感じだった。タイトルも変なタイミングで表示されたし。
ところで。この続きは最終第5部な訳だけど。あの話を原作通りにやるとすると、最終的にセーラームーンは宇宙の神になってしまうんだよなぁ。紙の上では一つの結論、セーラーサーガの帰結として綺麗にまとめたなと思っていて、あのラストは個人的には好きではあるけど、どういう風にアニメ的説得力を持たせるんだろうなぁ。
漫画なら毎月のページ数も限られるのが逆に奏功して、主人公にターゲットを絞って主人公賛美一点突破でもそれが面白い作品になったりするんだけど、アニメだといろんなことが出来すぎるので、キャラクターが立たないと物足りなくなってしまう。でもそこまでやると、映画館でやるにはいささか短すぎてしまう。一応、枠としては子ども向けではいなくてはならないので、やたら長時間にするわけにいかないし。だからこその前後編だったのかもしれないが。
やっぱりセーラームーンのアニメは週次更新、毎回20分強とかやれるテレビ向きだったんじゃないかと。
かぐや姫の恋人」編くらいのシナリオならともかく…。

*1:そういえば例の万華鏡のお店はホントに麻布十番にあるんだそう。サラッと買ってあげてしまう衛さんはやっぱりイキだねぇ。