環境が人間を作る−−『おれはキャプテン』

おれはキャプテン(1) (講談社コミックス)
以前、一時期だけ週刊少年マガジンを読んでいたので、この漫画が印象的だったのを覚えています。別にコミックスを見た記憶は無いんですが、今日は妙にこの作品を思い出せてしまって。
環境が人間を作る、というテーマのこの野球物語。たしか、週刊少年マガジンである程度連載した後、掲載誌を移動しています。週刊連載の終盤からその移動前までを読んでいたと思います。だから、このまるでキャプテンらしくないっていう主人公がどう成長してキャプテンにふさわしくなっていったか、の過程は少ししか見ていないのですが。
彼の場合は、『環境が人間を作る』という哲学を持つ監督さんの意向でキャプテンにされ、そこから変わっていったわけですが、そうそう自分を変えてくれる席に座らせてくれるヒトっているもんじゃないです。自分にふさわしい席を自分を過小評価して手に入れて、その座席を必死こいて守っている感じのヒトも多いのではないでしょうか。
本当は、もっと大きな席、険しい席でもなんとかできてしまうかもしれないのに……。


少し勇気があるヒトは、自分自身に大きくて険しい席を用意します。
どういう席を使いたいか、よく考えてサクサク用意し、そこに座りたいと思った時の自分の勇気を忘れないようにしたい。
バッターボックスに入ったら、後は自分と仲間とを信じて打つしかないわけなので。そうは食えないあの主人公も、野球選手である以上はそこは同じでしたからね。人生、いつ大事なバッターボックスが廻って来るか分からない。大して打てないのにツーアウト満塁の局面が廻って来るかもしれない。そんなときのために、フォアボールを選べる戦術眼を磨いておくにせよ、思い切って振ってホームランを狙えるパワーと勇気を養っておくにせよ、何の準備も無くチャンスを生かせるわけがないです。打席、とは良く言ったもので。9番までしかないそれらの席順の中で、どういう働きをすればチームが勝てるのか。どんな強豪チームでも、10人以上を打席には並べられないわけで、そこは平等なので……。


人生には絶対に守らされるルールがある。それは、親を選べないことと、1日が24時間しかないことと、寿命があることです。野球選手があるルールに従うように。
その中で高みを目指したいなら。環境を良く選ぶことって重要だと思いました。
生まれた場所の環境、時間的な環境、体力的な条件、人的交遊、みんな、人それぞれに制約や得意さがあると思いますが、その特異さの中で生きていくしかない……。


自己哲学としての観点のポイントはまとまってきたので。そろそろ具体化していこうと思います。