ヱヴァ・地上波に乗る

地上波初登場だったそうな、「ヱヴァンゲリヲン 序」。2年前の公開日を思い出しながら観ていた。あのときは暑い日に熱い映画を観た記憶があった。今回は夜だから外も涼しいけれど、やっぱり作品は熱い。



映画館の大画面で見る映画もいいけれど、目の前のモニタで展開されるのもまたいいものだ。合間合間にCMが入って自分を現実に引き戻す。その間に「自分とエヴァ」を考えたりする。それに、映画館ではストーリー展開と迫力ある映像に呑まれてしまってちゃんと見られていなかったシーンが結構あるものだ。今回は赤木博士と葛城さんがお酒を呑むシーンがそうだったようで「あれ、こんなこと言っていたっけ?」って思わされた。「今の男は自分のことしか考えていない、女にはつらい時代」というのは、何もエヴァだけじゃなくて現実の21世紀の日本もそうなっていると思う。正直なところ、この実感には男性の世代なんて関係なく、どの世代もそうなんじゃないかと思えて仕方がなかった。優れたコピーなどもそうなのだが「言われてみるとそうかもしれない」ということを言うこと、社会にメッセージを発すること、それも映画の役割のひとつだろう。


地上波に乗ることで、作品が広く認知されたという「格付け」がつく。またCMが入った日常の中の一作として「エヴァ」を観られるようになる。DVDとかを買うまではいたらないけれど、気になる作品だから映画館には行く。そういう人にはありがたい。マニアの作品ではなく、一般大衆の作品になったというこのことが、自分のことのようにうれしいと思う。


ヤシマ作戦終了、そして月にいる「あの人」のセリフまで、映画館とはまた違った目で観られて楽しかった。
また時間を作って「破」を見に行こう。「序」を思い出した眼でもう一度。