パソコンやスマホを使いこなす鍵

偉そうな題目で書き始めてしまった。
まあ、日々、とある大学内サポセンでひっそりこっそりと先生方や学生さんのパソコン・スマホライフのお手伝いをしてる身で。
そういう延長で、親世代からもわらわらと聞かれるわけだけど。
こういうのを出来るようになる人と、何度言っても覚えない人の決定的な違いがわかってきた気がするので書いとこうかと。
あ、あくまでちっぽけな個人の見解で、仕事場とか関係なし。
あと、浅慮ではあると思う。多分。
前置きはおいておいて。
例えば、スマホで写真を撮る。それをダイレクトにLINEしている友達に送る。ごく普通の操作(iPhone想定)。
それを最初に理解した時に、どういうポイントで脳内に焼き付けたか、思い出して欲しい。
カメラのアプリアイコンをタップ。カメラの機能を選択。被写体に向けてシャッターをタップ。共有ボタンをタップ。送付先の友人名をタップ。
これだけの操作だ。
この流れをアイコンやコマンドの羅列として「暗記」したか。
それとも「スマホの標準カメラでスクエアモードで撮影記録した写真データを共有機能でLINEの友人に送る」と作業内容をひとつひとつ理解しながら覚えたか。
自分が思うに、スマホを買い替えたりとかしても(それこそ、iPhoneからGalaxyとか)あんまり悩まずにやっていける人は、意識的にしろ無意識的にしろ、後者のやり方を最初からしている。
個人的な(仕事以外の‥‥家族や友人への)サポートの際、よく言ってることがあって。
「操作を暗記しないで欲しい。どのボタンだったかとか記憶しようとすると、アップデートとかで何かがちょっと変わっただけでついていけなくなる。それより、作業の流れを理解してほしい」
「アラートでの操作方法は、画面に書いてある。読もうとするのが大事。最初から意味がわからんとか決めつけて読まないのはいけない」
友達や家族へのプライベートサポートを受けるようになった学生時代から、何度この種のことを言ったことか。
アラートの意味がわからなかったら、一字一句を書き写して検索すれば良いのだ。誰かがわかりやすい日本語で説明を書いてくれたり、対処法を考えてくれた記録が何かしら出てくる。
「保存」ボタンが、データを保存するためのもの……と思うか。
それとも「作業が終わったら必ず押す四角いボタン」と思うか。
いつまでも初心者を抜けられない人は、そこら辺を考えていないのだ。
何をする機能を使っているのか、解ろうとしていないのだ。
開発者は機能を沢山搭載してくれているのに、そのメッセージに対して無理解なのだ。大変高度なツールを安価に使っているのに、残念で仕方がない。
これから、多分、iPhoneを越えるようなイノベーティブな新製品がまた出てくると思う。
そういう製品は、今までにない哲学や製品思想に基づき、新たなプロダクトデザイン、新たなユーザインターフェイスで構築されているだろう。
そのとき、メッセージ性を受け止め、その製品を速やかに使いこなせるようになるには、やはり今使っている情報機器からのメッセージをちゃんと受け止められるような態度が大事なんだと思う。
こうしたことは、これから子どもにICT機器をなんらかの形で教える親御さんにも、どこかで意識してほしいと思っている。それこそ、ニンテンドーSwitchなどは、おもちゃではあるがとんでもないICT機器でもある。決してバカにできない。
自分の経験からも思うが、そうしたメッセージ性には子どもの方が敏感だ。
さて、自分はそうしたことに向き合っていけるだろうか。自分の未来と、これからの人たちのためにも。

「ダイ」98話

ダイの大冒険」新アニメ版もついにゴメちゃんとの別れ、ダイの竜魔人覚醒まで来ました……。録画でようやく見ることが出来ました。
もうここまで来れば、ラストまでひた走るのみ。
ところで、今回の冒頭でダイ活躍した元・ニセ勇者のでろりん様ご一行。
あのシーンは漫画の時よりも遥かにブラッシュアップされていて、これが演出力ってやつなのか……と、感嘆いたしました。
マトリフとまぞっほが再会。まさかこんなところで会うなんて思っちゃいなかった訳ですが。
何しろ、オーザムは世界の果てですから。たまたまマトリフも以前に来たことがあるからルーラで飛んで来られましたけど(『勇者アバンと獄炎の魔王』参照)。あの経験が無かったら、パプニカの隠れ洞窟からトベルーラは流石にキツいでしょうし。
この状況、リアル地球で例えれば、北極点にすぐに行かなければ世界を破壊する核兵器が爆発してしまう、というわけで急いで来てみたらウン10年ぶりに大学のゼミの後輩(しかも彼は中退者)に出会ってしまったようなもので。
めちゃくちゃありえないわけです。
しかし、その後輩もここに来てくれてたってことは、志は同じだったって瞬時に分かるんですね。
なので、血を吐きつつも、その血が滲んだ手で使命を託するんですよ。
かつて才はありながら頼りなかった、袂を分かった後輩に。
そしてその後輩くんも、彼なりのパーティーを組んでいた。
こういう時にカツを入れてくれる友人たちがいた。
里を去ってから、まぞっほがどうしていたのかはマトリフには知る由はありません。しかし「ひとかけらの勇気」は、確かに彼らの中にも育っていたわけで……大魔王の暴挙をいっとき、止めることに成功。
あとはダイたちに託すのみ。世界からのバトンはバーンパレス最上階へ再び戻されました。
そして、ダイは最後の勝利のために、地上を守るために、最後の最後のカードを切ることに。
そう、自分を捨ててしまうのですね……。
ここでの種崎さん(ダイ役)の演技が恐ろしい。竜魔人として覚醒したダイは大魔王バーンを遥かに凌駕するパワーを秘めていましたが……こんな闘い方をしたかったわけじゃ無いので、心では泣いています。吠えて叫んでいるのに、根底にある悲しみを感じさせてくれました。
この辺りの覚醒の仕方、ドラゴンボール孫悟空とは大きく異なりますね。ダイくんは世界最強のドラゴンの騎士ですが、別にバトルマニアでは無いので。その証に、強すぎることも良いことでは無い、と、かつてダイくんは言いました。これも伏線とは言わないまでも、リフレインされる事柄ではあります。
なお、ダイはかつてバランに竜魔人にはなれないだろうと言われていましたが。これは双竜紋覚醒前の話。人間の血の方が濃いため、ダイの血液には他者の回復効果はないとも言われています。そのためか、竜魔人となってもかなり人間寄りのカタチになっていたようでした。体が鱗に覆われるとかはありませんでしたね。
さて。少し冷静に状況分析してみます。バーンはこの時点で隻腕にされてしまいました。ダイの剣が抜けない限りは両腕に戻すことができません。結果、ベギラゴンイオナズンバギクロスなどの最上位呪文や「天地魔闘の構え」は封じられていることになります。また、大魔王といえども、デイン系は使用できません。もしかしたら、カイザーフェニックスやマヒャドあたりは撃てるのかもしれませんが、カイザーフェニックスはポップに破られました。今やダイにも効果はないでしょう。またヒャド系はここまできてもほとんど使っていないので、おそらく得意呪文では無いのでしょう。さらにマホカンタもドルオーラには意味がありません。ドラゴニックオーラを魔力で射出する呪文なので、ドルオーラの本質は魔力ではなく竜闘気です。
ダイの方には完全版ドラゴニックオーラによるドルオーラや竜闘気拳、超高速トベルーラがあります。剣はなくても、十分すぎる戦力です。アバンストラッシュは手刀では流石に撃てないようですが。
ともあれ、今や完全にペースはダイ君のものになっています。このまま押し切れる……か? 残すところ、あと2回!

サックバットは騎士の楽器説?……と、かのイカたちの戦いについて

いや、学生の頃から内心でこっそりと唱えているだけの、学説でもなんでもない妄想……ではあるんだが。
サックバットという楽器が、かつて西洋音楽の世界にあった。
今はその楽器は、スライド式トロンボーンとなっている。
つまり、原型というやつである。
写真や概説は下記から参照されたい。今のトロンボーンよりも作りが華奢に見えるだろう。

で。
わたしがこの楽器に出会ったのは、浜松市の楽器博物館での学芸員実習の時だ。
吹き慣れたトロンボーンに、さらなる原型があった、と。
流石に吹かせていただくわけには行かなかったが、試奏CDは聴くことができ、やっぱり今より細めの音がした記憶がある。
そして、サックバットは「剣を引き出す」という意味合いの言葉らしい。フランス語からとの説があるという。

日ごろ鍛えた歌心という剣を、仕える姫や主君のために引き出す音楽騎士。
サックバットの楽隊士はもしかしたらそういう、音楽を武器とする騎士だったのかもしれない。
実際、「音楽は神への捧げ物」という言葉がある通り、古来、音楽は自分を超えた存在のために奏でられるものだった。神しかり、そして、主君然り。
今でも各国に軍楽隊は存在し、国家的なイベントにて自国や他国の国歌を披露する。オリンピックにしろ、国際会議にしろ。あれらは現在の音楽騎士であろう。
また、現代のトロンボーンはスライドでハーモニーを完璧に純正律で創れることから、伴奏楽器として活躍することが多い。
サックバットでも、聖歌の伴奏を受け持ったときは、おそらくそのボーカルを完璧に支えるべく活躍したのではないかと思うのだ。
心からの忠誠を捧げて。
吹奏楽トロンボーンをやっている時から考えていたことは、主旋律をいかに支えるために働けるかだったのかもしれない。たまに主旋律が回ってくることもあるが、その時は少ない。伴奏に楽しみを見出せてからは、単なる四分音符や八分音符の刻みがいかに難しいかを思い知らされることになったが……。今となっては、誰かを支える楽しみを教えてもらえたようで感謝している。
自分の話になるが、トロンボーン出身者として、やはり誰かを支えたいと思ってしまうのは……。自然なことだと思いたい。
学生時代は、同じパートの先輩なり、敬愛してやまなかったフルートの先輩なりに、自分なりの剣を捧げてきた。
今は剣を支える存在がいない気がする。気がついていないだけかもしれないが。
……というのを図らずも延々と考えることになってしまったキッカケは、かのイカの皆様のバトルフィールドスプラトゥーン3』である。
2とあまり変わっていないという評判もあるが、細部の仕上げが丁寧で2よりもはるかに初心者がプレイしやすい。『ゲーム人口の拡大』をスローガンとするニンテンドーらしい良作であろう。
私も多分に漏れずプレイすることになり…。ひとまずはランク20とヒーローモードの通常面全面クリアという初期目標は達成した。
スプラトゥーンはヒーローモード以外はチーム戦となる。ヒーローモードも、それが目的というよりは通常のチーム戦で使用するさまざまなテクニックやブキ(装備品)を使いこなすトレーニングの意味合いが強い。
アルバイトという名目で共同戦線を張るルールもあるが、そちらも一人ではプレイできない。ネットの向こうのどなた様とチームプレイということになる。
臨時に組まれたチームで戦い、さんざんな目にあったり、圧勝したり、辛勝したり、惜敗したり……を繰り返していくうち、自分のプレイスタイルの原点がトロンボーンにあることに気がついてしまった。
それも、前述したような伴奏型のトロンボーンだ。
前に立つより後方支援。
必要があれば前に出ることもあるが、自分たちのエリアを塗り足したり、敵に襲われた仲間を支援したりの方が楽しい。
時に前方を撹乱し、時に弱いところを埋める。主砲でこそない場面の方が自分としては動きやすい。
一歩間違えば責任転嫁となり得るが、やりたいことはそうではない。
そんなわけで、最初に買ったブキが『ヴァリアブルローラー』(スプラトゥーン2からの引き継ぎデータにより、ランクが高いブキを最初から買える権利をもらえたため)。これで広く塗りながら支援する楽しみを知った。
その後、『わかばシューター』や『ヒーローシューターレプリカ』でシューター系での援護の楽しさとスペシャルでの不足点を考えるうち『プロモデラーMG』にたどり着いた。
広く早く塗ってよし、塗りながら走り通せて、タンサンボムで撹乱してもよし、スぺシャルのサメライドはかなりの威力。流石にメガホンレーザーやナイスダマの長さや強さは無いが、自分が逃げる時にも使えるのは大きかった。
まだまだ練習が必要なので、そのうちバッヂを手に入れてしまうかもしれない……『ヴァリアブルローラー』同様に。
『プロモデラーMG』は、なんか見た目も、トロンボーンに似ているような気がしないでも……ない。流石にコジャケ、否、コジツケだろうか?
最近ようやく、イカジャンプとイカロールなる特殊アクションが使えるようになってきた。緊急避難時にも咄嗟に出せるようになるのはまだまだ修練が必要そうだが。
ともあれ、この先も…「明日を楽しみに」生きたいものだ(ゲームネームのプレートに、そういう肩書きをつけられる)。

羽毛布団洗浄

天気も気温も読めなさすぎるので、今年は早めに羽毛布団を洗ってきた。
手順は前に書いた通りのコインランドリーでの方法、大きな洗濯機で洗ったら、テニスボールを一緒に入れて乾燥だ。

今日は夕刻から雨予報ということでか、乾燥機の回転率が文字通りすごかった。
久しぶりに全台同時稼働を見たなぁ。
取りに来ない他のお客さんのを出して使わざるを得なかったし。
時々思うのだが、乾いた洗濯物をなかなか取りに来ない他のお客さんのをひっぱり出す時に、誤って破いてしまったりしたらこちらの責任になってしまうんだろうか。
それとも、取りに来ない方が悪いから弁済の責務はないんだろうか。
ともあれ、ひとまずは安心だ。

大谷翔平選手は、自分を信じた

大谷翔平選手がついに打者としても投手としても、ホンモノのホンモノだと証明されたそうです。

日本では、高校野球くらいまでは4番バッターなどでピッチャーとしてもエースクラスの活躍をしている選手も少なくないと思います。
ただ、大学・社会人・プロという上のレベルに上がると、どちらかに絞るケースが多いのでしょう。なかなか二刀流のプロ選手は出てきませんでした。
たしかに上のレベルでは転向で成功することも多いのでしょう。しかし、本人や指導陣が「プロ野球で打撃と投球の両方をやるなんて無理だ」と固く思い込むあまりに切り捨ててしまった才能も、またあったのではないかと思うのです。
大谷選手の一番の凄さは、メジャーでも自分を信じ抜き、結果を出したことではないかと。
1人の選手が打撃と投球、両方できるんだと。
球界はもっと多くの若い才能に目を向けて、柔軟な育成ができるようになってほしいものですね。
人の可能性は、簡単に切り捨ててはいけないでしょう。
過去の例として、二刀流とまでは言わないですが。
かつて、巨人の桑田投手が現役時代のある試合で、打者としてもホームランを打って、自分を援護したことがあったと思います。
その記事の記憶では、バッティングも普段から練習していて、バットを振っていた方が調子が良いとのことでした。大変驚いた記憶があります。ホームランなんてそうそう打てるもんじゃありません。
そういえば大谷翔平選手も、ピッチャーを担当した翌日は妙に打撃も好調になっていましたね。
ピッチャー脳を使っていた方が、アタマもカラダも冴えるのでしょうか。
ともあれ、ひとまずはお疲れさまでした。

皮革製品を磨くこと

今日は久しぶりに、愛用のカバンや最近放置になっていた革靴を磨いたりしていた。
と言っても、ブラシをかけてからクリームを塗って放置、余剰分を後で拭き取るくらいの簡単なメンテ。
100円ショップにある、簡単なスポンジ靴磨きは長い目でみたら皮靴には良くないらしい。
あれ、簡単にツヤは出るんだけど、これはシリコン系の皮膜を張るだけだとか。人間の肌にビニールをかけるようなイメージだろうか。
やっぱり、オーソドックスに皮革用クリームを使うのが一番良いと。要はちゃんとした保湿である。
で。
もとは久しぶりにカバンを磨こうとした時に、そういえば手帳カバーも革だったのを思い出し、ついでに靴も、となったのだった。
皮革製品磨きは、対象が予定より増殖する。
磨いているうちにカバンの縫い目のほつれに気がついて、皮革用の縫い針と糸をこれまた久しぶりに取り出したら絡まっていたりして。なんとかほぐして巻き直してから縫い方を思い出して(革では、糸の両端に針をつけて表裏交互に縫うのだ。布を縫う時にもこの方法なら丈夫に仕上がりそうなのだが、布の手縫い糸は細いから無理かも)。
なんやかんやで意外に1日仕事になってしまったのだった。
ともあれ、明日からカバンに関しては安心して使えそうだ。
やっぱり、革工芸までは無理でも、メンテナンスや簡単な補修くらいはサクッとできた方が結局は便利だと思う。私の場合、昔、東急ハンズで簡単な革グッズのハンズオンに参加してさっと習ったくらいのものだが、1時間の講習でやったことでもずいぶんと役に立っている。あの講習でやったから、ハンズで買った革用の糸と針がウチにあるわけで。
って、愛用のカバンと手帳カバーの色のだけだが。
その東急ハンズだが、カインズ傘下になるらしい。

それぞれの会社の沿革を確認したら。
東急ハンズは先程の記事にもあるけど1976年から。
カインズは

1978年に今のカインズの元となるホームセンターが開店。カインズとしては1989年。
やや東急ハンズの方が先輩だろうか。
今の時代、Amazon楽天、ものによってはヨドバシ、ワークマン、アスクルなどもライバルだ。通販サイトではできないのは、モノを手に取って確かめて買うこと。そして、送ってもらわなくてもすぐに手に入ること。店員さんにハウツーを聞けること(これも今はDIY系のユーチューバーがライバルだが)。
ともあれ、東急ハンズでサクッと習った革工芸の基礎が、数年後の今の自分の生活に地味に役に立っているのだった。あの時の講師の先生、優しく丁寧でよかったなぁ。感謝したい。残念ながら顔も覚えていないが……。
ああいう感じは、引き継がれるのだろうか。

『神の涙』回が……

あー、ついにこの回を越えてしまったか…。
アニメ『ダイの大冒険』の『神の涙』回です。
この回あたりの原作の見せ場といえば、まずは天才大魔道士ポップによるカイザーフェニックス撃破。ファーストコンタクトでは大魔王様のメラにメラゾーマで撃ち負けていたのに。「今のはメラゾーマではない……」ってアレですね。
カイザーフェニックス打破、アニメでみても実に鮮やかでした。そして大迫力でした!
そして、宙を舞いバーンを襲う、瞳の宝玉。その奇跡の動きっぷりも、漫画で想像していた以上。ありゃ怖い。アニメになってよかった!
そして……いよいよ正体が判明したゴメちゃんとダイのラストコンタクト。
演出は、原作を生かしつつより深めていたようです。デルムリン島に立っている感じで話しているとか、ゴメちゃんの(ダイが思い出すべきなのは)「もっと昔だよ」ってセリフはアニメオリジナルだと思います。小さな頃のダイ君の声も可愛くて良かった。ゴメちゃんとダイが海岸を走る一枚絵はグッズ化しないかなあ。原作の絵の良さを生かしつつ、より温かみのあるタッチですごく良かったのですよ。
ところで、この「ぼくのトモダチになってよ」ってセリフは(時々指摘されていますが)バランによりダイの記憶が封じられたときに、改めてゴメちゃんとファーストコンタクトし直した時に言っていることでもあります。伏線、とまでは言いづらいとは思いますが、ダイの本質がよく現れていると思います。もちろん戦闘能力も高いのですが、人と人を繋いできて、ときには魔王軍の軍団長すら味方に付けた勇者。だから、ゴメちゃんも長く友達だったんだろうなと。
ところで。ゴメちゃんはこの回で、結構重要なことを言い残しています。
「欲深い人間から逃れ、世界で一番清らかなデルムリン島に落ちてきた」と。
ゴメちゃんは転生を繰り返すアイテムなのですが、前の世代で何があったのか?
あと『神の涙』により、天地魔界のバランスが何度も崩されたという話。
この二つをもとに考えていたのですが。
もしかしたら前の世代のゴメちゃんは、アルキード王国滅亡の遠因になってしまったのではないか? と思いつきました。
アルキード王国。
ダイ君の母上ソアラの祖国ですね。
竜王ベルザーを打倒したバランがたどり着いた場所。
ソアラはアルキードの王女でした。
バランはソアラに助けられて一命を取り留め、城に迎え入れられたのですが。
とある家臣が王に密告したのです。
「どうやらあの騎士は人間ではないようです。もしかすると魔王の手下の生き残りかもしれませんぞ」
と。
この密告のため、バランはアルキード城から追放。しかしソアラはダイを身籠もっており、バランと共に駆け落ちすることになります。
そして、悲劇が起きてしまったのでした。
さて、バランは確かにドラゴンの騎士なので人間というわけではないのですが。
何でまたバレたんだろうなぁと。
実は、この家臣が「神の涙」を持っている人とつながりがあり、周りの人の失脚に悪用していたのでは?
神の涙には心があり、確かに悪いことには使われないのですが。
人には表裏があり、何かしら悪いことをしている人もいるものです。
あの重臣は、もしかしたら正義を装い、そんな悪いことをしている人を見抜くために神の涙をつかった。それも、自分が持っているわけではなくて、知り合いのとある善人が持っていて、その人をだまくらかして使ってもらっていた。周りの家臣の悪事の何らかの証拠を見つけては王に進言するのはいつものことだった。そうしてのしあがっていったのかも。そう、言葉たくみに、結果的には神の涙すら騙してしまったのでは。
そして、また厄介な人物(バラン)が王城に現れたため、神の涙で調べて正体を把握。何か証拠を見つけて王に進言したと。
それが回り回ってアルキード王国滅亡につながってしまい、人の邪悪さに疲れた神の涙の転生が起きていた……。
無茶な思いつきかな、とも思ったのですが。結構これタイミングが合いそうなんですよね。この事件から5年くらい後にデルムリン島で再生したと考えると、「次回の再生までに願いを叶えてきたのと同じ期間が必要」というのともしかしたら合うのかなと。あの時のダイ、5歳くらいに見えましたし。
まあ、上記はひとりの読者のただの妄想に過ぎませんが。
ゴメちゃんが人間の欲望に疲れ果てたことだけは覚えていたという前回の世代。いったい何があったのやら。ともかく悪用されてしまったんだろうなあ、と、思いました。
だから、裏表がないダイとずっと友達でいることを叶えてあげる気にもなったのかなと。
その後の願いも、悪意のない純粋なものばかりでしたし。
最大のファインプレイは、バラン戦でポップをあの世に止めに行ってくれたことでしたね。
実は、昔出ていた公式の解説書で読んだのですが。もともとのダイのストーリーではバラン編の後に最終決戦を予定していたようです。ポップは死んでしまいます。
当時のジャンプ編集部がダイの大人気ぶりのために異例の連載延長を決めてくれた時。
多分、三条陸先生は悩まれたと思います。多分うれしかったのでしょうけど、話の流れはポップ死亡へと完全に向かっていましたから。ここで彼を死なせるわけにいかなくなった。
なので、何が再大のファインプレイだと今なら思えるかといえば。
創作世界の神様、原作者がかつて引いていたストーリーラインをひっくり返してくれたことなんですよ。
そう、神の涙は読者の願い、原作者の願いすら聞いてくれたのです。
「ポップを生かし、こんなところで物語を終わらせず、もっともっと長く続けてほしい」
という願いを!
最強のマジカルアイテムの真骨頂だと思うのです。リアル世界からの願いを創作世界で叶えてくれたなんて。
それで起きたあのポップの一撃(多分イオ系魔法かな?)は、バランの改心のきっかけにもなりました。
まさしく『かいしんのいちげき!』ってやつです。
ゲームでは呪文攻撃でのクリティカルヒットは当時なかったとは思いますが、野暮なことは言いっこなしとしましょう。
ともかくとして、最後のダイの願い……「世界中の心をひとつにして、自分たちの知っていることをみんなに伝えてほしい」という祈りは北の果てまでも届きました。
世界中を彷徨った挙句に北の果てオーザム王国で暮らしていた変わり者パーティー『偽勇者でろりん一味』ついに出番です!

追記。出演者の裏話がたっぷり聴ける『ダイ好きTV』。今回の話はとくにファン必聴でした!