先生方も大変だと思う

時々書いているが、私の仕事は都内某大学でのパソコンなど情報機器利用のサポートである。学生さんにも、教職員の皆様にも対応している。
色々報道があるがご多聞にもれず、勤務先の大学でも後期はかなりの部分をオンライン授業でおこなっている。対面授業をしても良い場合もあるようだが、やはりメインはオンラインのようだ。
たしかに、新型コロナウイルスクラスターが本学で発生でもしたら、本当に大変なことになってしまう。人数が人数だし、教授陣にはご高齢の方もおられるし、さまざまな地方からさまざまな人が集まっているため、帰郷の折を考えたら怖い。
しかし、オンライン授業はオンライン授業で、学生さんもだが、先生方も本当に大変だ。
学生さんの感覚では理解が難しいかもしれないし甘えだと思われても無理はないのだが、現場の感覚としてはやはりパソコンに不慣れな先生方もまだまだおられる。各分野のエキスパートとはいえ、必ずしもITスキルとは直結するわけでもない。それでも授業をやらないわけにいかないため、サポートを実施させていただいているわけだけれど、少しずつ慣れてこられたとはいえ、まだまだトラブルはある。また、とくに講師の先生は、何箇所も大学を掛け持ちして教えておられることが多く、学校によってアカウントが違ったり、学内情報システムや、講義のアップロード方法など、ツールについても異なるようだ。
ある大学ではZOOM、ある大学ではGoogle Classroom、ある大学ではTeams………といった感じだろうか。想像するだけでも大変なのが分かる。ひとつの大学のシステムを理解するだけでも大変だと思うのだが。
自分としては、勤務校でのシステムしかサポートできないし、もちろんそれ以外のことはサポートしてはならない。まあ、それはそうなのだけれど、今までのような、たいていの大学では共通環境(教室で、ホワイトボードや黒板、マイクとパワーポイントと投影機器を使えば授業ができる)で授業ができた状況とは、やはり勝手が異なりすぎるのではないかとお察しする。
せいぜい、教室の構造とか、ホワイトボードか黒板か、とか、プロジェクターのサイズや機器や、若干のPC操作方法くらいの差で、本質的には同じように使えた今までとオンライン授業とは、おそらく質的にも量的にも異なると思うのだ。
とはいえ……なんとかやらなくてはならない。課題が山ほどある学生さんもだが、やることが大幅に増えた先生方も、ご無理なさらないように願いたいと思う。
本来、新型コロナウイルスの蔓延を避けるためのオンライン授業。これで無理をして倒れてしまったら、身体が弱って抵抗力が落ちて新型コロナウイルスに罹患でもしてしまったら、それこそ本末転倒だ。
例えば、今までなら学生の前で喋れば終わりだったのに、録画ボタンを押し忘れでもしたら、全部しゃべり直しである。これくらいはうっかりミスで注意するしかないとはいえ、そうしたことでも労力は増えていると思う。
大学を掛け持ちしている講師の先生は、大学ごとに異なるさまざまなオンライン授業ツールを使いこなさなくてはならない点は、あまり報道に上がっていない気がしたので書いてみた。それに、同じツールを使っていても、大学ごとに使い方のルールが異なったりもあるようで、考えてみるだけでも大混乱である。一介のサポート屋としては、なんとか乗り切っていただきたいと願いつつ、今日もサポートに向かおうと思う。