現実は臭い。
現実は痛い。
だからって、
夢の世界で変化のない昨日と今日と明日を送る?
色々なファンタジーで語られてきたこのテーマを、岡田麿里さんが描くとこうなった、らしい。ボーイミーツガールと夢と現実の話。
この街からは鉄道は発車しない。
クルマとバスはあるけれど町内のみ。
産業といえば製鐵所。
だが正直、何を造っているのかわからない。
時々、空間にヒビが入る。
それは誰かが世界の変革をわずかでも望んだということ。
ヒビは煙が埋める。
まるで龍のような、狼のような激しい煙が。
恋。
恋は関係性の変革を望む。
望まないのに囚われる。
変革のない恋はないと同じ。
世界に傷つきたくないから変革も望まない。
そこには結局は死しかなかった。
夢の空間の終わりは、
何かを目指せる現実の始まり。
で。
私はこの世界を生きている。
何を望むの。
……って話だと思う。多分。
劇場公開が終わる前に見られてよかった。
やっぱり迫力が違うからなぁ。
それにしても世界に対して自分を問うような青春映画。
なんか増えたなーと思ったり。
思わなかったり。
根底にシン・エヴァと同じ匂いを感じた。
あれも、最後には現実を選んだ。
「さあ、行こう」って。
まあ、落とし所はそこになるとは思うんだけど。
夢の中に閉じこもりましょう、っていうんじゃ、何も得るものも救いさえもないわけで。
でも何かが足りないんだよなぁ。